ジャパン・クラフト21とコンテストについて


ジャパン・クラフト21は、日本の伝統工芸の衰退を止めることに特化した、外国人と日本人のボランティアグループです。この度、1956年にロックフェラー氏によって設立されたアジアソサエティのジャパンセンターとともに、日本伝統工芸再生コンテストを定期的に開催する運びとなりました。それぞれのコンテストでは、一ジャンルの工芸を21世紀に再び繁栄させることを目的に、傑出したヴィジョン、才能、実績と情熱を持つ個人または団体を選出し、ニーズにあったサポートを提供します。第1回コンテストは2021年に開催されました。2022年3月から第2回コンテスト出品者の募集を開始します。


日本の工芸文化は、何世紀にもわたって熟練され、蓄積された知恵と技法に基づき、世界的にも質の高い職人による品物を生み出すことで知られています。しかし、工芸品は近年危機感を覚えるほどに劣化しているのです。現在でも、何万という工芸の職人が活躍している一方で、その多くの人は引退の時を迎えており、若い世代が彼らの技法を継承していないのも事実です。加えて、特殊な染料や顔料などの材料や、筆や刷毛などの道具を作る工芸を支える職人も消えつつあるのです。


ジャパン・クラフト21の最初のプロジェクトは、釘をまったく使わない伝統的木組み造りの町家建築でした。80年ほど前、京都には10万軒の美しい町家がありました。現在では、4万軒ほどしか残っておらず、更に毎年減り続けています。2019年、学費を奨学金として提供し、若い現役の大工に伝統的な木組みを教える心町家塾という小さな塾を設立する手助けをしました。その塾を卒業した大工も携わり、2022年、85年ぶりに京都に木組みの町家が建設される予定です。さらに、若い大工を対象とした新しいコースと、若い左官に竹を使った日本の伝統的な土壁造りを教えるコースも開講しており、4月からは庭コースも始めます。


コンテストの最優秀賞ロニー賞受賞者には、受賞したヴィジョン・アイデアを実現するための資金500万円と、ビジネス、デザイン、商品開発、マーケティングなど多種多様な分野のエキスパートで構成されたグループによる1年間のサポートが提供されます。日本の工芸文化を再生するか、多くの伝統的な工芸が消えていくのをただ眺めているのか、選択することができるのは今この時しかありません。


JapanCraft21について

バイメル スティーブエン

JapanCraft21の取り組み

JapanCraft21の取り組みは、芸術を愛する国内外の人々を結び付け様々な活動に繋げています。

JapanCraft21は、伝統工芸が21世紀に再び繁栄することを目的として日本伝統工芸再生コンテスト開催しています。それぞれのコンテストでは、優れたアイデア、才能、実績と情熱を持つ卓越した10名(組)をクラフト・リーダーとして選出し、クラフト・リーダーが関わる工芸を活性化するプロジェクトを実現するためのサポートを提供します。

JapanCraft21は急速に消えつつある伝統建築技術を後世に継承するために、祇園内藤工務店と共に心町家塾を京都に立ち上げました。1年集中のコースは、若い現役の建築関連の職人たちのスケジュールに対応するため、日曜日に開講しています。現在は、伝統的木組みと土壁造りを教えています。2022年には、日本庭園造りと管理に関する上級者コースと、天然漆塗布を教える塾を予定しています。すべての学費はJapanCraft21が負担します。

心町家塾のHPはこちら: NPO法人 祗匠会

JapanCraft21は工芸に携わる可能性を持った若い世代を伝統建築技術を学ぶ塾などのプロジェクトを通して育成しています。また、SNSでは工芸に国内外の人々に対して、日本の数々の優れた工芸作品をは発信、紹介しています。
工芸を再生する活動をする上で、JapanCraft21の会員とスタッフが広く深い知識を備えることは不可欠だと考えています。すべての会員を対象とした定期的なオンラインセミナーや、特別会員のための文化的なイベントも実施しています。


一緒に活動しませんか?

JapanCraft21のすべての活動は日本の伝統工芸を愛する方々からの寄付、ならびに様々な方法でお力を貸してくださる方の善意で成り立っています。

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